機械には真似できない手仕事

手仕事にしか生み出せないものがある

私たちは、「手仕事にしか生み出せないものがある」と、これまで出会った物や経験から実感しています。

20年以上も前にロンドンの蚤の市で出会った寄木のゲームボード、80歳を超える陶工がつくった、何をいけても様になる花瓶や、酒を旨くするぐい呑、父が幼少の頃から使われ、今我が家の食卓になっている一枚板のがっしりとした机、私たち夫婦の愛用するインディアンジュエリー。

それらには量産品には無い、温かみや味わいや力強さがあり、自分たちにとって、ただの物以上の存在だと感じることがあります。

ずっとそばに置きたい、一緒に時を重ねたい、人生における相棒だ、そんな特別な愛着を抱くことがあります。

特別な感情が生まれるのは、思い出やストーリーがあるからという理由もありますが、人の手が生み出した物だからこそ、直感的に感じる何かがあるように思います。

誰かの手が真剣につくり出したものには、その人のカケラみたいなのが宿るんだと思います。

それはつくり手の想いや、魂や、心意気や、気迫や、、、

それらが宿ったものは、やっぱりただの物を超えてきます。

それが、使う人を心地良くしたり、勇気や自信を与えたり、人生を変えることだってあるかもしれません。

人が良いものをつくろうと想いを込めて手を動かし、生み出したものは、そういう力を持っているんだと思います。

ロボットでは決して再現できないものです。

私たちは、そういった手仕事にしか生み出せないものを感じていただけるレザーアイテムを、つくり届けることをモットーにしています。

手に想いを込めて

SWL leather works(以下SWL)では、デザイン・製作の全てを田島隆治と田島いづみの夫婦二人で行なっています。

田島隆治が、メインでデザイン・製作を担当しています。

田島いづみは、店長職を担いながら、製作を補助しています。

私たち自身が店頭やメールでオーダーを受け、お客様と直接打ち合わせをして、自分たちの手で形にしていきます。

製作中は、オーダーしてくださった方の顔や、オーダーに込められたストーリーやご要望を思い出しながら、その方に、できる限りベストなものをつくり届けたい、生涯の相棒にしたいと思ってもらえるような興奮を届けたい、そんな想いを込めて、手を動かしています。

ここで、SWLのレザーアイテムを受け取った方々からのご感想を、少し紹介させていただきます。

「心を込めて作られた〈物〉が〈人〉の生き方にまで影響を与えてくれるものだとは知りませんでした」

「バッグからエネルギーを感じました!」「なんだろうこの迫力・・・」

「生きてるみたい!」「手に持っていると幸福感を覚えます。」

「仕事に誇りを持ち、一切の妥協を許さない職人魂が香りとともに伝わりました!」

「職人の魂があたたかみに感じます。」

「一目でわかる革の質と作り手の技術。一生モノになると思います」

こういったご感想をいただく度に、想いを込めた手仕事にしか生み出せないものを感じていただけているのかな、使う人の人生を豊かにできているのかな、と励まされます。

SWLの手仕事

SWLならではの手仕事を最も感じていただけるのが「手縫い」による仕立てです。

全ての製品を、SWLではミシンを使わず「手縫い」で仕立てています。

SWLの手縫いは、革に菱ギリという道具で一つずつ縫い穴を開け、その縫い穴に糸を通していくという、超アナログな縫い方です。

ミシン縫いに比べると断然時間がかかりますが、SWLではずっとこの手法を貫いてきました。

効率を度外視しても、手縫いにこだわっている理由はこの3つです。

「丈夫さ」「見た目の雰囲気」「縫い直しができる(修理可能)」

SWLでは革を縫い合わせるのに「シニュー」という糸を使っています。

手縫いでしか縫うことのできない特殊な糸です。

「シニュー」は、かつてネイティブアメリカンが革を縫合する時に使っていた、動物の腱(sinew)を化学繊維で再現したものです。

シニューはとにかく強靭で、長く使える丈夫なレザーアイテムをつくるのに、最も適した糸です。

また革に走るシニューの縫い目には、他のどんな糸にも真似できない独特の雰囲気があり、太古の人が動物の腱で縫ったような、プリミティブでワイルドな雰囲気が、レザーアイテムに無骨で力強い印象を与えます。

実は「縫い目」というのは、レザーアイテムの雰囲気を左右する、とても大きな要素なのです。「縫い目」なんて、普段はあまり気にかけないかと思いますが、一度いろんなレザーアイテムの「縫い目」を見比べていただくと、それに気付いていただけるかと思います。

また、シニューは使うほどに白っぽく変化していき、革と共に変化するその様も、味わい深くて魅力的です。

手縫い以外にも、SWLが追求してきた独自の製作手法があります。

それは革の裁断面「コバ」の仕上げです。

「縫い目」がレザーアイテムの雰囲気を大きく左右するという話をしましたが、「コバの仕上げ方」でも、レザーアイテムの雰囲気がガラリと変わってくるのです。

コバに顔料をベタッと塗って簡単に済ます手法が、世の中の主流ですが、その手法で仕上げたコバの雰囲気を、SWLとしては良しとしていません。

SWLでは、熱したコテでコバを締め、染色・ヤスリがけ・磨きを繰り返し、時間と手間をかけて、見た目も美しく、手触りも良いコバに仕上げます。

レザーアイテムのオリジナリティをより高めるためにほどこす、ネームなどの文字を革に彫り込むカットワークや、フェザーや唐草といったSWLオリジナルモチーフなどを革に彫り込む、レザーカービングなどの熟練を重ねた職人技も、機械には決して真似できない手仕事です。

その他、メンテナンスやリペアなど、様々な工程を自分たちの手で行います。

良いものを届けたいという想いを手に込めて、今日も手を動かします。

SWLのレザーアイテムから、私たちの手が宿した何かを感じてもらえたら嬉しいです。

− 第三章へつづく −

第三章

人生を共にできるレザーアイテム