繕う愉しみ、始めました

こんばんは。

SWL leather works(エスダブルエル レザーワークス)店長の田島いづみです。

セーターや手袋やマフラーなど、私にとってニットを身につけることは冬の楽しみの一つだったりします。

でも油断すると、冬の初めに取り出した時、虫に食われてしまっていて悲しい気持ちになることがあります。

気に入っていたのに、虫食いの穴が空いてしまったセーターと手袋を捨てるのがイヤで、以前から気になっていた修繕手法「ダーニング」に挑戦してみることにしました。

「ダーニング」は、タテ糸とヨコ糸で小さな織地を作るような繕い方法のこと。

見た目がステキでちょっと興味をもっていたのです。

書店で色々迷って、ダーニングキット(ダーニングベースと糸)がセットになっているこちらを購入。

さっそくこの指先に穴の空いてしまった手袋を繕ってみることに。

2色の糸を使って、チクチクと本の通りにやってみたら、なんとか穴を繕うことができました。

もともと手芸は得意ではありませんが、またこの手袋をしたい一心でガンバってみて、、、こうして完成するとすごく嬉しかったです。

気をよくしてセーターにも挑戦。

丸にも四角にも三角にも、好きな形に繕えるのも面白いところ。

見た目もいい感じで、なんかフツフツと愛着が湧きました。

何より捨てなくてすんだこと、また使い続けられることに、とても気分がいいのでした。

この本の前書きで、著者ミスミノリコさんがステキなことを書いてらっしゃいました。

(修繕するというのは) 「もとに戻る」とは少し違う。

また人生を一緒に伴走してくれる存在へと変化したのだ。

手をかけることで、「前より、もっと好きなる」。”

このことは、私たちSWLが大切にしている “レザーアイテムを直したりメンテナンスして使い続けること” にも通じます。

一緒に時を重ねてきて自分色に育ってきたお気に入りなのに、何かトラブルがあって使い続けることができないのは、とても悲しいし勿体無いことです。

使うほどに味わいを増す革という素材だからこそ、長く使えるタフなつくりでありながら、何かあっても修繕ができるつくりであることを、SWLはとても大事に考えています。

だから、修繕できない部分を設けないこと、修繕できるつくりになっていること、は全ての製品の設計段階から考え、必ず守っていることです。

接着してしまえばより簡単につくれてしまうのが分かっていても、それが修繕できないつくりになってしまうのであれば、採用しません。

それを貫き、修繕やメンテナンスのご要望にも応え続けてきました。

ご購入時にも、修繕できるつくりであることを伝え、「使っていて何かあればいつでもご連絡ください」とお願いをしています。

SWLの製品を使ってくださる方に、長く革を使う醍醐味を味わってほしいから、これからもそれは大切にしていきたいと思っています。

最後に、ミスミノリコさんの後書きから、

「繕う」という字は糸に善いと書きます。

繕うことが、自分に善きこと、大切な人の善きことになる、

その手助けになれば嬉しいです。

繕うって人間として尊いことなのかも、そんな風に思った体験でした。

私みたいなズボラ人間にそれができたことを、ちょっと褒めてやりたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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